マイティラインとは

無心にボールを投げた思い出

    • 2020年09月07日(月)
    • ドラ番記者プラール

球団記録に並ぶ大野雄の5試合連続完投勝利は過去をひもとくきっかけにもなった。1955年に達成した石川克彦さんはいわゆるネット情報では存命中。訃報記事も出ていない。コメントをもらおうとOBを当たってみると…。

「もうずいぶん前に亡くなったよ」。教えてくれたのは2歳上の徳永喜久夫さん(89)。高卒2年目の53年に18勝を挙げ、54年は杉下茂の32勝に次ぐ21勝で中日の初優勝に貢献した快速球右腕は2013年に逝去されたという。

生前の証言がある。「あのころは、20勝しなかったら一人前の投手とみなされませんでした。だから私も早く一人前になろうと一生懸命でした。結果や記録を考える余裕もなく、無心にボールを投げた思い出だけが残っています」。時代を物語る言葉でもあった。