マイティラインとは

「僕の記録はすぐ抜かれるかもしれない。それだけ彼の持つ力はすごいと感じました。」…

    • 2024年06月07日(金)
    • ドラ番記者プラール

「僕の記録はすぐ抜かれるかもしれない。それだけ彼の持つ力はすごいと感じました。」2018年に取材したノートにメモが残っていた。声の主は小笠原。記録は球団史上最年少開幕投手のこと。そして、認めた相手は当時、背番号40だった新人投手。現在、育成の石川翔だ。

入団直後から誰もが認める潜在能力。だが度重なるけがが、石川翔をマウンドから遠ざけた。「いつユニホームを脱いでいてもおかしくなかった」と右腕。1日ウエスタン・リーグくふうハヤテ戦(ナゴヤ)で実戦復帰した翌日、球場で会った際の表情には危機感が漂っていた。

1軍公式戦の出場は1試合のみ。だが唯一の登板で挙げたホールドはセ・リーグ最年少記録(18歳9カ月)だ。「やるしかないです」。球史に名が刻まれている男がこのまま終わるわけにはいかない。

長森 謙介