セレンディピティ
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- 2019年01月18日(金)
- いいね新聞生活
「セレンディピティ」という言葉をご存じでしょうか。私はこの言葉に出合ってしばらくは、野生の王国で有名なアフリカ・タンザニアの国立公園「セレンゲティ」と混同してしまい、なかなか耳慣れませんでした。
セレンディピティとは、「本来目的としていなかったのに、副次的に得られる成果」という意味だそうです。比較的新しい言葉なのかな、と思っていたら、なんと外山滋比古さんの著書「思考の整理学」に『セレンディピティ』というタイトルのエッセーが載っていました。すでに35年前、1983年に刊行された本で使われていたのです。
「思考の整理学」といえば、刊行以来118刷(2018年11月20日現在)を数え、時代を超えたバイブルとされています。昨年は思わぬ方面から、この本が再び脚光を浴びることになりました。あの根尾昴選手が中日ドラゴンズへの1位入団が決まった際、愛読書として新聞紙上で紹介されたのです。恥ずかしながら私は本の名前こそ知っていたものの読んだことがなく、書店の根尾選手の愛読書コーナーで買い求め、遅まきながら読んだというわけです。
話は戻りますが、新聞を読むメリットの一つとして、このセレンディピティが挙げられます。新聞は多岐にわたるジャンルの記事が、ニュースの価値判断を基に整然と収納されており、一覧性に優れています。思わぬ記事と遭遇し、興味や関心を引き出される可能性が高い媒体といえます。
例えば昨年12月26日の中日新聞朝刊の国際面。私は、米国と北朝鮮の間で非核化協議が進まず、展望が開けぬまま越年しそうだ、とのトップ記事を読んでいました。途中、左隣中ごろにあった記事が目に入ってきました。「プーチンカレンダー 日本で人気」。興味が湧く見出しです。読み始めると、愛犬と戯れたり、大自然の中で上半身裸で釣りをする、ロシア大統領の素顔がのぞくタイプが好評とのことでした。「プーチンも悪い気はしないだろうな」と読み進めると、お膝元のロシアでは「(中国の干支である)豚のカレンダーに次ぐ二番人気」とありました。えっ、中国の干支には「豚」がいるの? ネットで調べてみると、中国の干支では、「猪」の代わりが豚でした。今年の干支にまつわる話題を一つ知ることができ、ちょっと得した気分になりました。まさにセレンディピティでした。(有)
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