国際陶磁器フェスティバル美濃′24 「清流の国ぎふ」文化祭2024 生誕130年 荒川豊蔵展
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- 2024年10月14日(月)
- イベント
現在の岐阜県多治見市に生まれ、「志野」「瀬戸黒」で重要無形文化財保持者(人間国宝)に認定、「桃山陶」の復興を成し遂げた陶芸家荒川豊蔵の生誕130年を記念した展覧会が、岐阜県現代陶芸美術館(多治見市東町)で開催されています。
開館以来初めての荒川豊蔵の大規模展覧会。学芸員の花井素子さんは、「ずっと豊蔵展はこの館がやらなくてはならない展覧会でした。生誕130年、国際陶磁器フェスティバルの年というタイミングが合いました。」と念願叶っての企画展です。
「180点というボリュームで、初期から晩年の作品と共に、絵が上手だった荒川が、焼き物を作り続けていく上で伏線となった描く世界もお楽しみください」と呼び掛けます。
担当学芸員の花井素子さん
同館初代館長で、現在は荒川豊蔵資料館(岐阜県可児市)の名誉顧問榎本徹さんは、荒川は「縁(えん)にまつわる逸話が多い人だと評し、《志野鶴絵茶垸》(1971年 清荒神清澄寺蔵)の作品を前にして、この作品が誕生したエピソードを話してくれました。
「荒川の念願が叶って、古美術商から手に入れた俵屋宗達画、本阿弥光悦書の《鶴下絵三十六歌仙和歌巻》(現・京都国立博物館蔵。重文)。その後文化庁に寄贈しますが、手離す前の3年をかけて精巧な複製を作らせました。俵屋宗達、本阿弥光悦という当代随一の二人が揃った作品です。その絵から、生き生きとした鶴を茶碗に描いたのです」。
荒川豊蔵資料館名誉顧問の榎本徹さん
他にも、《色絵千古の桜鉢》(1965年頃 清荒神清澄寺蔵)は、器の内面に細かく桜を描き、小さな穴を意図的に空け、ピンク色が美しく発色するように作られたそうです。
人間国宝荒川豊蔵の多彩な作品と、様々なストーリーを、ぜひお楽しみください。
色絵千古の桜鉢
- 日時
- 2024年11月17日(日)まで 10:00~18:00(入館は17:30まで)
- 場所
- 岐阜県現代陶芸美術館 ギャラリーⅠ
(岐阜県多治見市東町4-2-5 セラミックパークMINO内) - 電話
- 0572-28-3100
- 休業日
- 2024年9月30日(月)、10月7日(月)、15日(火)、17日(木)、18日(金)午前
《志野水指》
1938-41年 岐阜県現代陶芸美術館蔵
《志野茶垸 銘 氷梅》
1970年 国立工芸館蔵 撮影者:エス・アンド・ティ・フォト Photography by S&T PHOTO
(Adachi Masako)
月刊紙『マイタウンとうと』編集長。東京都出身。短大卒業後、証券会社で営業、新聞社系出版社で編集を経験。子どもが小さいときは時間で終わる公的機関でパートをし、その後編集復帰。カルチャーもスポーツも何でも興味が湧いたことには直接足を運び、自分の目で見ることを心掛けています。一方、家で過ごすのも大好きで、週末は家から一歩も出たくない気分の日もたびたび…。