侍ジャパンが3連勝を決めた16日の台湾戦。ほぼ台湾のファンで埋め尽くされた4万人の大観衆が爆音を鳴り響かせての応援で、開場は異様なムード。日本代表だけでなく台湾代表にも重圧が掛かりそうな中、台湾の先発マウンドに上がったのは陳柏清だ。

「彼とは結構いろんな話をしたんですよ」。試合翌日の17日にそう話したのは吉見投手コーチ。今年3月に1週間ほど台湾プロ野球の台鋼ホークスで臨時コーチを務めた。そのときに指導した選手の一人が陳だった。

初回に味方の守備のミスから先制点を失ったが、4回途中までを3失点（自責2）と大崩れしなかった。もちろん日本の勝利が一番だが、吉見コーチも対戦相手の教え子を気に掛けていた。「彼がどう思っているかはわからないですけど、よく抑えたんじゃないかな。この経験をこれから生かしてくれれば」。これからも国際大会で陳柏清の名前を聞くことになるかもしれない。

谷　大平