【コロナ予防】新聞で正確な情報を!/新型コロナQ&A【ブレークスルー感染】「中和抗体」や変異ウイルスが関係
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- 2021年10月05日(火)
- いいね新聞生活
重症化防ぐ効果は高い
新型コロナウイルスのワクチンを二回接種した後に感染してしまう「ブレークスルー感染」についてお答えします。(浜崎陽介)
Q どのような感染ですか。
A 「突破」を意味し、ワクチンを接種しても感染してしまうことです。いかなる感染症のワクチンでも100%予防できるものはほとんどありません。
新形コロナの場合、二回接種し、抗体ができるために必要な二週間を経過した後に感染してしまうことをこう呼びます。
Q なぜ起きるのですか。
A 接種後、体内に「中和抗体」という抗体がつくられますが、その量に個人差があります。時間がたつと効果は減退するとされています。
デルタ株など感染力が強い変異ウイルスが出ていることも要因と考えられます。
Q では、接種は意味がないのですか。
A 接種後に抗体が減ってしまっても、体内の免疫細胞が覚えていて、ウイルスが侵入すると、まもなく抗体を作り出す働きをします。
感染後、肺炎で重症化するのは一週間後くらいから。その間に抗体がつくられるため、重症化に至らないことが多いです。
米疾病予防管理センター(CDC)の調査によると、未接種者は、打ち終えた人に比べ、感染リスクが4.9倍、入院リスクは29.2倍になります。
このことからも重症化を防ぐ高い効果が期待できます。
Q ブレークスルー感染が増えていますが。
A 完全には防げないので、感染する人はいます。接種した人の数自体が増えているので、感染例が増えるのは当然といえます。
しかし、効果が落ちたわけではありません。引き続き接種が推奨されます。
Q 気を付けることはありますか。
A 接種後に感染した人からもウイルスは排出されます。マスクをしっかり着用するなど一人一人が対策を続けることが大切です。
Q 今後、何度も打つ可能性がありますか。
A まずは希望する人全員に二回の接種を行き渡らせ、国民の接種率を上げることが第一です。
軽症で済むのであれば、これ以上、打つ必要があるのか、効果の持続期間なども見極めた上で、三回目以降の接種が必要かどうか、今後、社会全体で考えていくべき問題と言えます。(村上啓雄・ぎふ綜合健診センター所長への取材から構成)
(令和3年9月28日付中日新聞朝刊より)
※この記事は、中日新聞社の許諾を得て転載しています。
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