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企画展「タイル」までのプロローグを4月9日(土)から開催
【多治見市モザイクタイルミュージアム】

    • 2022年04月06日(水)
    • イベント

企画展「タイル」までのプロローグ【多治見市モザイクタイルミュージアム】

西暦588年頃、仏教建築と共に瓦や塼(焼き物で作ったブロック)が伝来。
中国の製造技術をもとに日本初の本格的な寺院「飛鳥寺」が建立されました。
建材として用いられた瓦が日本におけるタイルのルーツだと言われています。

それから時代の流れと共に敷瓦、壁瓦、貼り付け煉瓦などさまざまな名前で呼ばれるようになりましたが、1922年4月12日に開催された全国タイル業者大会で「タイル」という名称に統一されました。それを記念し、全国タイル工業組合が「タイルの日」に制定し、日本記念日協会に認定されました。

本展は、手わざを生かした明治、大正時代の敷瓦や陶磁板などを紹介することによって、100年前に起きた「タイル」の変革と、その序章(プロローグ)に焦点をあてる企画展です。

2022年はその年からちょうど100年にあたります。
この出来事は、単なる名称の統一にとどまらず、手工芸的な位置づけで作られてきた様々な陶磁器製の建築装飾が、工業的な基準をもつ「タイル」へと転換していったことを表す、タイル業界における大きな事件でした。

殖産興業を推進する明治政府は、万国博覧会に掛軸や障屏画同様の繊細な絵付けを施した陶磁器を出品して好評を得ました。
瀬戸と美濃で製造されたゆがみのない陶磁板はその技術力の高さを感じさせます。
ドイツ人のワグネルが開発した「旭焼」のタイルも、こうした日本の絵画表現を最大限に生かした究極の装飾タイルというべきものでした。

一方、敷瓦の製造が盛んになった瀬戸では様々な銅板転写の図案が考案され、京都の陶磁器試験所では、陶芸の技術を生かした日本的なタイルや建築装飾の表現が研究されています。
しかし、こうした手工芸的な「タイル」はその後、効率的な機械製造による製品に凌駕されていくのです。

統一される前の時代の「タイル」。
日本的な表現を摸索し、試行錯誤を重ね、当時の技術の粋を集めて作られていたことを感じていただければ幸いです。

会期
2022年4月9日(土)~9月4日(日)
休館日
月曜日(休日の場合は翌平日)
開館時間
9:00~17:00(入館は16:30まで)
会場
多治見市モザイクタイルミュージアム 3階ギャラリー
(岐阜県多治見市笠原町2082-5)
電話
0572-43-5101
観覧料
一般310円
高校生以下無料(常設展料金でご覧いただけます)

※新型コロナ対策
新型コロナウイルス感染症の蔓延防止対策等により、入場制限などを行う場合がございます。
詳しくはホームページあるいはお電話等でお問い合わせください。

【本記事の問い合わせ先】
多治見市モザイクタイルミュージアム