込み上げる思いを抑えることができなかった。今季最終戦だった3日の巨人戦(バンテリンドームナゴヤ)。今季限りで現役を引退する堂上、福田、谷元、大野奨の引退セレモニーの中での花束贈呈のとき。梅津とともに大野奨へ花束を渡したのは石橋。その目は涙でぬれていた。

「いろんなことを教わりました。配球のことや野球に対する取り組み方。本当に数え切れなくて…」。４人の選手が引退会見を行った18日の広島戦(バンテリン)では背番号27の登場曲を拝借。プロ初の猛打賞もマークした。

打席で後押ししてくれた登場曲。奇数打席に流れたベリーグッドマンの「ファンファーレ」の歌詞にこんな部分がある。「何度だって立ち上がってくじけずにまた夢に向かって歩いていく」。最後まで全力で打ち込んだ先輩の姿。まぶたに焼き付け、6年目の来季に懸ける。

長森　謙介