福はクリスマスが近づくと毎年、Xmasを通り越した年賀状の思い出がちらつくという。

「高校時代、25日から10日間、郵便局で野球部員はアルバイトしていました。指導者から、社会勉強させる考えを伝えられていました」。神戸市立神戸西高。作業着を着て、年賀状の仕分け作業を始める。新年を迎えたら配達作業にシフトする。約10日間で手にするのは2万円ほどだったのだとか。

「何に使ったんだろう!?　はっきり覚えていませんが、野球道具だったと思います。スパイクだったかどうか…、記憶はあやふやです」

裕福な家庭ではなかった。高校2年までは中学時代の軟式用グラブでプレーした。最上級生になって、型落ちも型落ち、廃棄寸前の硬式用新品をスポーツショップから4000円で融通してもらったのだとか。アルバイトに4000円の硬式用グラブ。人には歴史ありだなぁ。

川本　光憲