陶芸家 鈴木藏さん 文化功労者に選定
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- 2024年12月07日(土)
- 偉人伝
岐阜県多治見市虎渓山の工房で制作する鈴木さん
2023年8月23日撮影
2024年10月、政府から今年度の文化功労者が発表され、陶芸家で重要無形文化財「志野」の保持者(人間国宝)の鈴木藏(おさむ)さん(89・虎渓山町)が選定されました。
鈴木さんは桃山陶の志野を研究、薪窯(まきがま)でしか焼けないといわれた志野をガス窯で焼成することに成功。「現代の志野」を追究し、独自の作風を確立しました。
また、轆轤(ろくろ)だけでなく、たたら成形も用いたエッジの効いたシャープな形に、鮮やかな緋色(ひいろ)が特徴的です。
現在入院中で、息子で陶芸家の徹(てつ)さんを通じて、「今までやってきた仕事が認められてうれしい。家族の協力のたまものです」とコメントを寄せました。
県内在住者の陶芸分野で文化功労者選定は、1971年に文化勲章と同時に受けた荒川豊蔵以来2人目。
来年3月からは、岐阜県現代陶芸美術館(岐阜県多治見市東町)で「卒寿記念 人間国宝 鈴木藏の志野展」が開催されます。
多治見市出身で、ドイツ在住のソプラノ歌手・藤村実穂子さん(58)も文化功労者に選定されました。
(Adachi Masako)
月刊紙『マイタウンとうと』編集長。東京都出身。短大卒業後、証券会社で営業、新聞社系出版社で編集を経験。子どもが小さいときは時間で終わる公的機関でパートをし、その後編集復帰。カルチャーもスポーツも何でも興味が湧いたことには直接足を運び、自分の目で見ることを心掛けています。一方、家で過ごすのも大好きで、週末は家から一歩も出たくない気分の日もたびたび…。