マイティラインとは

青龍山 長福寺
宝物を訪ねて ~弁財天・大日如来坐像修復~
一般公開2025年6月27日・28日

    • 2025年05月02日(金)
    • ぶらり散歩




多治見市有形文化財 大日如来坐像

JR多治見駅から徒歩10分ほど、車なら国道19号線の弁天町交差点を土岐川方面へ約200mのところに長福寺はあります。

岐阜県多治見市にある真言宗青龍山長福寺は歴史が古く、元弘年間(1331~1334年頃 鎌倉末期)、土岐氏庶流の源頼氏(みなもとのよりうじ)により創建されたとあります。また令和2年に発見された寺に伝わる古文書には「正安三年(1301年)…」とあり、寺の創建のための寄進者名一覧が記されています。その中には「明智姓」もあり、興味深く貴重な文献として令和5年に多治見市文化財保護センター(旭ヶ丘)で長福寺展も開催されました。

長福寺で見つかった古文書の一部「明智姓」の記録

正安三年の記録

古文書の長さは6mを超える

長福寺には、町名(弁天町)の由来にもなっている秘仏の弁財天があります。その弁財天は、頭に鳥居と宇賀神(うがじん)を載せた姿が特徴です。宇賀神とは顔は老人、体は白蛇で、日本古来の財福の神様であり、巳年の今年、注目の神様です。巳年の間は、住職に声をかければ開帳して拝観することができます。

寺に約300年前から伝わる秘仏の弁財天

鳥居の奥に顔は老人、体は白蛇の宇賀神

修理から戻った大日如来坐像

他にも多治見市有形文化財にもなっている「大日如来坐像」は一材(いちざい)造りで、室町時代のものとされます。京都にある公益財団法人美術院国宝修理所(京都国立博物館内工房)にて修復され、このたび1年ぶりに長福寺に戻ってきました。いつの時代にできた傷かは不明の、右肩に袈裟切りに刀傷を付けられたとみられる箇所など、歴史を感じさせます。こちらの大日如来は宝冠(ほうかん)や天衣(てんね)などをまとう「菩薩形」であるのが特徴。瓔珞(ようらく:胸元の飾り)や光焔光背(こうえんこうはい)も非常に精巧で、顔立ちも優美。時を経ても鈍く輝く黄金色の「美仏」がここにあります。

こちらの大日如来坐像は2025年6月27日(金)・28日(土)10:00~15:00一般公開されます。当日は多治見市文化財保護センター学芸員の岩井美和さん、住職の良盛さんの解説があります。

身近にある貴重な地元の文化財を、訪れてみてはいかがでしょうか?

問い合わせ
真言宗智山派 青龍山長福寺 住職 良盛(ややもり)快正
住所
岐阜県多治見市弁天町1-16
電話番号
0572-22-3549