あの人は困った顔をしていた。・・・
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- 2025年05月07日(水)
- ドラ番記者プラール
あの人は困った顔をしていた。「緊張するんだよね」。何年も前のこと。ドラゴンズの手伝いで来てもらった際に若手の取材をお願いすると決まってそう言っていた。
最初は「そんなわけないでしょ」と思っていた。だって、イチローの番記者だったから。ズレていると感じた質問は受け付けないとか、緊張感が半端ないとか、そういう話を聞く。よほど胃に穴の空きそうな局面だけど、「それは大丈夫なんだよね」。この人も普通じゃない。
何か特別な領域を持っているのだろう。でなければそんな仕事は務まらない。いつかそんなふうになりたい―と思わされる先輩だった。天賦の才を持っていた。
古居宣寿記者が4月30日に亡くなった。58歳。3月9日夜、LINE (ライン) でメッセージが送られてきた。具合は良くないと聞いていた。「1面の大島原稿、破格のクオリティーに仰天しました。素晴らしい」。
そんなことを言われるのは初めてだった。これを一生の自慢にしよう。それに恥じ原稿を書き続けよう。
土屋善文

2018年に大手WEBでは載らない岐阜県多治見市近辺に特化した情報を集め公開スタート。
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