マイティラインとは

経済面に注目

    • 2019年12月03日(火)
    • いいね新聞生活

18歳で入社したマツダの寮の先輩から、「新聞はスポーツ面以外に他の1ページを必ず読め」と習った。

広島の自宅では、新聞に触れる感覚で運勢を最初に読む。スポーツ面はサンフレッチェやカープ、ホッケー、バレーボール、ハンドボールなど日本のトップスポーツがたくさん載っている。細かく拾ってある地域スポーツも楽しい。

活字で気づくこともある。僕はあまり感情の波が出さないようにし、波のない方だと思ってきたけど、自分のコメントが試合に勝った時と負けた時では違う。そこに感情が出ているなと。

サッカーとは異業種の経済面も見る。目が行くのは組織の中心で人を動かし、責任を持ってやっている人のコメント。物事を進め、成果を上げ、目標を達成していく記事や、個人をフォーカスした話は興味がある。

日本代表と五輪の兼任監督となった今は、新聞を含めたさまざまな媒体で、いろんな伝え方があることも分かった。そこには肯定や批判の内容もある。それは当たり前のことで、感じたことを書いてもらえればと思う。

ワールドカップ(W杯)ロシア大会は戦前の(低調な)予想をエネルギーにして戦った。メディアが取り上げてくれなければ、現地にいる人以外は何が起きているか分からない。応援し、盛り上がろうと思ってもらえなかった。肯定でも批判でもいい。関心を持たれないことが一番寂しいことであり、将来につながらないと思う。

サッカーは地域を、日本を盛り上げる一つのコンテンツになる。われわれが現場のクオリティーを上げ、ピッチ外で地域貢献活動をし、メディアと一緒に日本のサッカー文化を盛り上げていけるようにできればと思っている。(新聞科学研究所【仕事に役立つ】森保一さんのコラム)2018年10月インタビュー

【サッカー日本代表監督 森保一さん】

1968年長崎県生まれ。守備的MFとして広島や仙台などでJ1通算293試合に出場。日本代表でも活躍し、W杯出場を目前で逃す「ドーハの悲劇」を経験した。2012年に広島の監督に就任、3度のJ1優勝を飾る。今年7月から日本代表と東京五輪男子代表の監督を兼任。