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Azusa Voice #2『佐藤梓のクリスマス音楽物語~2018年を振り返って~』

    • 2019年01月19日(土)
    • しんぶんのうた

2018年、私は本厄の年でした。厄年と聞くと、何か嫌な出来事が起こるのかな、怪我をしたり、事故をするのかな…そんな不吉なイメージがありましたが、ある人が私に言ってくれた言葉がありました。『厄年なら飛躍の年になるね。』そうか!飛躍の年になるか!その一言が私を励まし、前向きな気持ちにさせてくれました。


例年通り沢山ライブを行いましたが、思い出に残ったものは、まずは6月に愛知芸術劇場で開催したコンサート。お客様と一体になり笑いあり涙ありの楽しいコンサートになりました。日頃はピアノの弾き語りを中心にライブをしていますが、大きなコンサートではバンドバージョンで演奏しています。このコンサートでは、初めてバイオリンを入れました。いつものサウンドに比べ、音の幅が広がり「よりゴージャスになった」とお客様からも好評の声をいただきました。そして2018年私が一番力を入れた企画、と言うか力を結集させなければできなかったと実感しているのが、12月2日にバロー文化ホールにある大ホールで開催した『佐藤梓のクリスマス音楽物語』でした。このイベントは、私の中で2018年の一番の取り組みとなりました。

心の中であたためていた『Smile for project』の立ち上げへ!

この企画のアイデアは寝ている時、夢に出てきたのです。みんなを元気にさせ、みんなが楽しめるコンサートを自分の手で開催するんだ!というメッセージ的な夢でもありました。それをどのような形にするのか悩んでいたのですが、私の中で「いつもとは何か違う、特別なものにしたい」という思いがあって、いつものコンサートとは違う仲間に声を掛けました。それは以前から、心の中であたためていた『Smile for project』の立ち上げへのプロローグとなりました。


『Smile for project』とは、市民の方々に芸術文化に触れていただく機会を作って、聴いてもらえた方々が心豊かな気持ちになってもらいたい、という願いを込めたプロジェクトです。昔と違い、今の子供たちはYouTubeなどで音楽映像を手軽に見られる機会が増えました。でも音楽は人の手で創られている事、会場で味わう生の音楽の素晴らしさを感じてもらう事が、このような時代には大切だと思っています。そのような場を作るために、このプロジェクトの杮落としとして『佐藤梓のクリスマス音楽物語』を企画したのです。いつもなら、タイトルは普通に「クリスマスコンサート」としていたと思いますが、今回はあえて「音楽物語」としました。来場者の皆様にも物語の1人になってもらい、様々な事を感じて考えてもらいたかったからです。まるで絵本の中に迷い込んだような、そんな感覚に…。

音楽物語の内容はどんなものだったのか?

ホープタウンという街がありました。そこに歌うことが大好きな少女がいました。彼女は小さい頃から歌う人になりたいという夢がありました。そんな彼女といつも一緒にいたのがラニです。ラニは踊ることが大好きで彼女の歌に合わせラニは踊っていました。彼女は夢を叶え歌手になりました。けれどもラニは天国に逝ってしまったのです。


音楽物語の一部ではそんな彼女がライブをします。参加型のコーナーでは新聞紙で楽器を作りみんなで合奏しました。物語の途中、彼女は歌を歌いながら天国に逝ったラニに会いたくなります。彼女は自分の音楽、歌に自信がなくなっていました。ラニに会えたらと2人の思い出の山に登るのです。ところがその日は山は急な天候悪化で嵐となり、彼女は気を失ってしまいました。嵐が止み目が覚めると、そこにはラニの姿がありました。ラニが彼女にメッセージをくれます。「あなたの歌声はみんなに勇気や元気を与える。だからあなたにしかできないコンサートをやるのよと。そしておじいちゃんがくれたクリスマスツリーの一番上の星はみんなの希望が集まらないと光らないからあなたの歌声でみんなの希望を集めて光らせてほしい」と。ラニからのメッセージを受け、二部ではクリスマスコンサートを展開しました。クリスマスメドレーではバレエ団とコラボしました。華やかなステージになりました。希望を集めるためにみんなで「きよしこの夜」を大合唱し、クリスマスツリーの星を光らせました。


この音楽物語では会場に着いたところから物語は始まっています。ロビーにはわくわくする写真スポットやウェルカム演奏など、おもてなしにも力を入れました。この企画には170名という出演者とスタッフが関わってくれました。正直、この人数をまとめなければいけない私は途中で何度もやめたいと思うくらい苦しい時もありました。けれどもお客様の笑顔を思い浮かべながら当日まで頑張りました。当日はとにかく楽しかったです。苦しかった自分が、物語の主人公の悩み苦しみとも重なっていった気がします。1100人の来場者の皆さんと170人の仲間。誰が欠けてもこの音楽物語は成功していません。感謝しかありません。多くの仲間が私を支えてくれました。周りにいてくれる人の有難さを今一度、確認できた企画でもありました。

結局、2018年は私にとって、とても成長できた1年に!

そんなこともあって、私的に2018年を一文字で表すなら『仲』。仲間がいてくれたおかげで、いろいろ乗り越えられたから。『仲』の字には、人がいて、輪があり、その真ん中に“1”がある。人々の輪の中に1つの目的、軸がしっかりある。そのような文字にも見えます。それはまさに、クリスマス音楽物語。たくさんの人が関わってできたのは、参加した皆が成功させたい!という想いが1つになったからです。


さぁ2019年はどんな年になるのか楽しみです。


佐藤梓オフィシャルサイト https://www.satoazusa.com/