残留組が練習するアグレスタジアム北谷に懐かしい顔があった。OBでチームのマネジャーなどを務めた関啓扶さんだ。

屋内練習場に向かうと、そこで打っていたのは菰野高の後輩の岡林。背番号60のユニホームを着た多くのファンが見守る中、汗を流していた。「タイトルを取るなんてなかなかできないことですよ。本当にすごい。うれしさと、あとはちょっぴり悔しさもあります」と関さん。球界を駆け上がる後輩をリスペクトするとともに、活躍できなかった自身への後悔も少しだけにじませた。

今は岐阜県多治見市のヤーマン歯科矯正歯科クリニックで歯科技工士をしている。プロ野球OBとしては異色のセカンドキャリア。プロ野球の世界では思い描いた自分にはなれなかったかもしれない。でもそれは決してバッドエンドではない。まだまだ人生は続く。いつだって道の途中だ。

土屋　善文