21日付紙面の当コーナーで涌井がキャンプのブルペンだけでなく、試合前のブルペンでも変化球を投げないエピソードを書いた。キャンプ打ち上げを前に本人にいつから投げないのか聞いてみた。

「え、いつなんだろう…。高校のときは、多分投げていました。プロに入って、いつからですかね。いつだろう。っていうくらいです」。高卒で西武に入り、入団間もないころは投げていたという。いつしか、投げなくなった。理由があった。

マウンドからと打席からでは見え方の違いがあるからだという。「こっち（マウンド）から見ていると、自分では曲がっているように見えるじゃないですか。そうやって勝手に頭がイメージしているので。曲がったように見えているけど、実際は曲がっていないし。だから意味ないなって、やめたんです」。

投げない理由は、軌道を確認しきれないから。大多数の投手は指先のかかりも含めて変化球をチェックする。キャンプの過ごし方も試合への準備も人それぞれ。竜戦士にとって充実した2月だったのなら、何でもいい。みなさま、1カ月間お疲れさまでした。

川本　光憲