バンテリンドームナゴヤで行われた侍ジャパンとの強化試合2試合は大盛況のうちに幕を閉じた。特に2日目は大谷のフリー打撃がまさしく異次元だった。

5階席に、しかも2本放り込んだ。バンテリンは広いという概念は通用しない。大谷が1人で球場の雰囲気を完全に支配していた。その後のＷＢＣでの活躍は言うまでもない。大谷が渡米直前の2017年12月、栗山監督が言っていたことをふと思い出す。「翔平ってナイターだろうが、登板後だろうが、必ず午前10時にはウエート室に来てたんだって。自分で決めたことは絶対にやっていた」

そりゃ人間だからいろいろな日がある。体調の良い悪いもあれば、単に気持ちが乗らないときだって。それでも続ける。言うは易し行うは難し―。そんな途方もない日々の積み重ねの先にあの放物線はある。

土屋　善文