試合前練習の際、小笠原は白いスパイクを持って投手陣がアップするセンター付近へ行くことがしばしばある。試合では金具のスパイクだが、見る限りソールは樹脂のポイント。このニューアイテムについて聞いてみると意外な答えが返ってきた。

「これはラクロス用のソールなんですよ」。プロ野球選手でラクロス用のシューズを使っている選手は初めて聞いた。どんなメリットがあるのだろう。「走るときに芝をよりかむので。ダッシュするのにも良いんですよ」。ダッシュ1本もおろそかにしないという強いこだわりを感じた。

今季は開幕戦という独特の緊張感の上で145球の熱投をみせ勝利を呼び込んだ。「体も全然問題ないですよ。元気です」。食事から練習、登板前の過ごし方まで徹底して自らを高めようとしている左腕。今季、とんでもない数字を残してくれる予感しかない。

土屋　善文