今季に国指定の難病「黄色靭帯（じんたい）骨化症」を乗り越え、1軍復帰を果たした福。3月、交流を続ける名古屋聾（ろう）学校職員の伊藤俊貴さんが「国際アビリンピック」で銅メダルに輝いたのを祝福した際に「日の丸を背負って世界3位。すごいですよね」と目を輝かせていた。

福自身、小学校の時に空手の日本代表に選出されたが、阪神淡路大震災の影響で大会が中止。神戸西高時代は、兵庫県選抜チーム入りを逃した。「石岡（オリックス）は選ばれたんですが」と、同学年の元同僚の名前を出して苦笑いだった。

憧れた日の丸ではないが、同じ難病と闘う人たちの期待、希望を背負う立場。「これからも体の状態は、包み隠さず伝えていく。力になれれば」。記者は今月いっぱいでドラ番を離れるが、テレビ越し、時々球場で思いを感じ取っていきたい。

志村　拓