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「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」を…

    • 2023年11月21日(火)
    • ドラ番記者プラール

「カーネクスト アジアプロ野球チャンピオンシップ2023」を制した野球日本代表「侍ジャパン」井端監督の姿を自宅テレビで見ていた。隣の妻がつぶやいた。「赤坂見附のこと覚えてる?」。記者は10年前の記憶が一気によみがえった。

あれは2013年。第3回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)で井端さんは東京ドームでの2次ラウンド台湾戦の9回2死、同点打を放った。DH部門で大会ベストナインに選ばれている。

チームは準決勝で敗れて米国から帰国。成田空港に着いた当日、記者が食事をともにした場所が東京・赤坂見附だった。繁華街までの道すがら、「フィーバーです。騒ぎになっちゃうかもしれません」。そう伝えたはいいものの、誰からも話しかけられない。食事を済ませてホテルへ向かう、そのときだった。

「お兄さん、1軒いかがですか?」目の前に立っていたのは飲食店へ呼び込むキャッチだった。「話しかけてきたの、おまえだけだよ!」。夜空に響く井端さんの声と、誰か分からずにキョトンとする飲食店従業員の男性がいた。記者は「井端さん、何かすみません」と、理由もなく謝ったのを覚えている。優勝で何か生活は変わったか。今度、聞いてみようと思う。

川本 光憲