うちわをどっちの手であおぐか。先日バンテリンドームのベンチ前で手に持つうちわをヒラヒラ…。

「川本、右手やなくて左手やろ! 左の方が景気ええやないか」

声の主は小田バッテリーコーチだった。まだ、空調が効ききれていない本拠地の練習時間帯。ベンチ前へ行き、早出の選手を見る。暑さのあまり、記者は右手であおいでいた。それが気になったのが同コーチだった。

ネットで「うちわ、右、左」と調べてみる。多くが右の利き手ではない左であおぐ姿が、余裕を醸し出すというのも出てきた。なるほど、同コーチが伝えたいこともそうだったのか。

練習から左であおぎ続けて、ゲーム中もあおいだ。その日は19日の巨人戦。8イニング無失点だった。マルティネスが9回1イニングを抑えて完封勝ち。

これからもうちわを使う。痩せ我慢だっていい。いつも、持ち手は左にしよう。

川本　光憲