若き人たちの言葉
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- 2020年07月22日(水)
- いいね新聞生活
一時は収束傾向にあった新型コロナウイルスですが、移動の緩和や経済活動の再開と軌を一にして、感染者が再び増加してきました。自粛生活は長引きそうな気配で、浮かない気持ちの方も多いのではないでしょうか。
そんな折ですが、私自身はこのところ、若い世代の人たちの印象に残る言葉を中日新聞の紙面でいくつか目にし、心洗われる思いがしています。
まず、中日ドラゴンズの京田陽太選手(26)。コロナ禍で初めて観客を入れたナゴヤドームでの2020年7月10日の試合終了後、選手会長としてファンに向けてあいさつしました。最前線の現場に立つ医療・介護従事者、開幕にこぎつけたプロ野球関係者、そして開幕を信じて待ち続けたファンに感謝。
さらに、「自らにエールを、仲間にエールを、同じようにこの日々に立ち向かう全ての人にエールを。応援が頑張りを生み、その頑張りが誰かの応援になる。そんな応援の力を僕たちは信じています」と、自身の言葉で思いを伝えました。野球に限らない、広い範囲に向けてのメッセージと受け止めました。
次は、SKE48チームEリーダーの須田亜香里さん(28)。毎週日曜日の岐阜広域面(愛知は愛知広域面)に、「てくてく歩いてく」というエッセーを寄せています。2020年7月12日付「今だからこそ見えるもの」では、名古屋・栄の専用劇場で、無観客ながら4カ月ぶりにステージに立った思いをつづりました。
「『キンモクセイ』を歌うと、真っ暗なままの客席に思わず涙があふれた。無観客である寂しさ以上に、これまで愛をいっぱい受けてきたことがいかに当たり前でないかを実感し、幸せで胸がいっぱいになったから。この生きづらい世の中を嘆くより、今だからこそ見えたものがあるこの瞬間を永遠に大切にしていきたい」と。
そしてご存じ、藤井聡太新棋聖(18)。2020年7月16日の棋聖戦第4局に勝ち、17歳11カ月、史上最年少でタイトルを獲得した〝時の人〟です。終局後、記者会見に臨んだ藤井新棋聖は、将棋界を脅かすAIとの向き合い方についての質問に、こう答えました。
「ソフトとの対決の時代を超え、共存の時代に入った」。その時代に人間が将棋を指すことについて「どの時代も盤上の物語は不変。その価値を自分自身が伝えたい」。こんな言葉を10代の若者が発するのか-。将棋の才は無論ですが、言葉のセンスにも驚嘆しました。 若き3人から感じられるのは「言葉の迫真」です。
コロナ禍やAIという大きな現実を受け止めた上で、自分のやるべきことに真摯に挑もうとしているからこそ、発する言葉にも迫るものがあるのだと思います。そんな存在は、年齢に関係なく、多くの人たちを元気づけてくれるのです。(有)
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