マイティラインとは

「N検」

    • 2020年10月01日(木)
    • いいね新聞生活

皆さん、「N検」ってご存じですか? 

正式名は「ニュース時事能力検定試験」。年4回あり、検定日1カ月前までに報じられたニュースで、「政治」「経済」「暮らし」「社会・環境」「国際」の5分野から時事問題が出題されます。出題ランクは易しい順に5級、4級、3級、準2級、2級、1級の6クラスあります。端的に言えば、新聞やテレビなどのニュース報道を正しく理解し、活用する「時事力」をどの程度備えているかを試す検定です。

主催は日本ニュース時事能力検定協会と、全国35の新聞社・放送局。主催の一つ、中日新聞では、朝刊の「学ぶ」面「中日こどもウイークリー」に、過去問題を載せたN検コーナーを設けています。毎回トライしている読者もいらっしゃることでしょう。8月22日の中日朝刊では、N検について1ページ特集で詳しく紹介しています。

特集や協会のホームページによると、N検は2007年度に始まり、これまでに累計で46万人以上が受検したそうです。2019年度は4万7,612人が受検し、合格率は、小学生レベルの5級87.6%、4級81.4%と高く、中高生レベルの3級で59.1%、準2級になると36.8%とぐっと下がります。逆に2級は授業で公民を学ぶ高校生の受検が一定数あるせいか、合格率は48.0%に上がっています。1級はさすがに難易度が高く、1桁の7.7%でした。

試しに私も、9月16日の朝刊「学ぶ」面に載っていた2級の設問にトライしてみました。「国内の災害対策」と「日米地位協定」の2問。それぞれ四択で正しい記述を1つ選ぶのですが、日米地位協定の方はまんまと外してしまいました。新聞業界に携わる仕事柄、高をくくっていましたが、「うろ覚えだった… 」と反省させられました。

N検は全国約400の大学・短大がAO入試や推薦入試などで活用し、評価・優遇の対象としているようです。1級なぞに合格すれば、就活生にとっても就職試験や会社面接の際、有利に働くはずです。時事力が高い、ということは、それだけ現代社会について理解しており、視野が広い、と判断材料の一つになるのです。

2019年度の検定では、1級は別として5~2級の最年少合格者はいずれも7~9歳、一方、最年長合格者は81~86歳で、3級は90歳だったそうです。これほど幅広い年齢層がチャレンジし、合格する検定はそうはないでしょう。

大学入試や入社試験といった“実利”のためでなく、N検合格自体が目的であっても十分意味があると思います。N検合格のために日々のニュースに意識的に触れ、理解に努めることは、時事力を高めることに他ならないのですから。あなたもN検にチャレンジしてみませんか。(有)