守り続けて70年 今までも そしてこれからも お店の看板娘!?
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- 2021年04月09日(金)
- 偉人伝
滝呂公園の西側にある昔ながらの駄菓子屋さん。お店の看板娘!?の中嶋春江さんは御年 88歳!
毎日、元気にお店に出て、お客様を出迎えます。
取材をしていたこの日、近所の方がお孫さんを連れてお菓子を買いに来ました。
いくつかのお菓子と消防車のおもちゃを買って、帰り際に春枝さんは「これとこれはおまけね」とお菓子を持たせていました。
「私ね、いつもやよ。せっかく来てくれたでね。ありがたいもん」と笑います。
仕入れはご主人の車に乗せてもらい、名古屋までご自身で買い付けに行きます。
お店に置いてある商品の値段は全て記憶していて、勘定は昔から愛用している「そろばん」を軽やかにはじきます。
そしてそれがとても正確!パチパチって早いこと!すごいんです。
その他にも、長年使用している鉄板で、たませんやお好み焼きを焼いてくれます。熱々でとってもおいしいですよ。
「昔は遠足や修学旅行のお菓子を買いに、子どもたちで店中溢れとったでね。よぉはやっとってね、ありがたかったよ。今でもそのころ買いに来とった子が、自分の子どもを連れて『おばさん、元気?』って訪ねてきてくれるでね。うれしいよ」と目を細めます。
滝呂生まれの滝呂育ちという春枝さん。
元々は両親がお米や雑貨、燃料などを売っていたそう。毎日忙しく働く両親を見て育ちました。
お米が配給制だった頃は、個々に計ってご自宅まで届けていたそうです。10歳でお母さまを亡くし、おばあちゃんと2人のお姉さんが、お母さん代わりに面倒を見てくれたといいます。
「おばあさんの影響が強くてね、質素で厳しく育てられたよ。『自分のことは自分でやれ!人に使われとってはいかん』って言われとったでね、この店を自分でやろうと思ってやり始めたんやよ」と話します。
2人のお姉さんが食事の用意をしてくれたり、洋服を仕立ててくれたりと、とても感謝しているといいます。
昨年、その姉が2人とも亡くなってしまい、「相談事をしたくても、もう話すこともできんで悲しいね、」と。
毎朝、両親と2人のお姉さんの写真に「おはよう」と声を掛けて仕事を始めるそうです。
お店の前にある「二宮金次郎の像」は、日本の良き心を忘れないようにと春枝さんが石屋さんに頼んで作ってもらったものだとか。
「もう学校にも置いてなくなったでね。尊敬しとる人やで、せめてここに置いておきたくてね」と。
「人に迷惑を掛けんよう、自分のことは自分でやる、それを忘れんとまんだ頑張らんとかんでね」
春枝さんは、長くお店をやってきて悔いはないといいます。
お店を少し改装して、カラオケができるようにしてありますが、コロナ禍で今は開店休業状態。早く皆さんが集える日が来るといいですね。
春枝さんの人柄でお店が長く続いているんだと感じました。 ぜひ、春枝さんに会いに行ってみてください。
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