マイティラインとは

人事担当者にとっての新聞

    • 2019年02月13日(水)
    • いいね新聞生活

世は新たな門出の季節。勤務する病院で補助職員を正職員に登用するための試験をすることになり、人事担当者として一般常識の試験問題を作成した。

参考に公務員試験用の例題集を買ってきてみたが、知識を問うだけの味気ない設問が多い。結局、新聞に題材を求め自分で考案することにした。

全20問のうち時事問題としては「東京地検特捜部に逮捕されたカルロス・ゴーン容疑者について」「厚生労働省の『毎月勤労統計』の不正調査問題について」の2問を出題。それぞれを説明する選択肢を5本ずつ用意し、誤った記述2本の組み合わせを選んでもらった。

たとえばゴーン容疑者の問題の選択肢は「a. 2015年にルノー自動車の上席副社長から日産自動車の最高執行責任者(COO)に就任し、翌年には社長となって不振に陥っていた日産の業績をV字回復させた」「b. 最初の逮捕容疑は、日産自動車の有価証券報告書に自身の役員報酬を5年間で約50億円過少に記載した金融商品取引法違反だった」「c. 日産と三菱自動車に続き、ルノーも会長職を解任した」「d. 長期にわたる勾留が人権侵害だと国際的な圧力が高まり、保釈請求が二度目で認められた」「e. 逮捕のきっかけは、日産自動車内の内部通報だった」の5つ。

これらの記述は、大きな記事のわきに経緯などをまとめた「とは書き」を参考にした。ただし2つだけは誤った内容をしのばせてある。

果たして試験の結果は?

4人の受験者のうち2問とも正解したのは1人だけ。1問だけ正解したのも1人しかおらず、2人は両方とも不正解だった。

少々難しかったかと反省したが、受験者から事前に対策を聞かれた際には「新聞を読んでいれば分かるよ」と答えておいた。後で聞いてみると、2問とも正解した受験者は「ニュースはこまめにチェックしている(主にネットの記事だけど)」との返事。不正解者はやはりというか新聞を読む習慣がなかった。

だから新聞を読みましょう、というのが主題ではない。ここで言いたいのは、新聞は人事担当者の味方になる、ということ。とは書きを分解すればいくらでも問題を作れるのだから。実は来年の試験問題作成を今から楽しみにしている。

ところで上の問題、分かりましたか?正解は「aとd」です。(武)