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【コロナ予防】新聞で正確な情報を!/新型コロナQ&A【変異ウイルス㊤】特徴と国内での広まり

    • 2021年09月08日(水)
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強い感染力 重症化リスク高く

新型コロナウイルスの「第五波」が襲う現在、感染力が強いとされる変異ウイルスが猛威を振るっています。その特徴や感染対策について二回に分けてお答えします。(浜崎陽介)

 そもそも変異ウイルスとは。

 寄生体であるウイルスは単独では増殖できず、人の細胞に入ってコピーを作ります。新型コロナのウイルスは、世界各地で二週間に一回程度、変異が起きているとされます。

ほとんど使い物になりませんが、まれに従来より感染力の強いものが生まれてしまいます。これらが、英国由来のアルファ株、南アフリカ由来のベータ株、ブラジル由来のガンマ株などです。

 最近、よく聞くデルタ株とは。

 昨年10月にインドで初めて報告され、世界中に広がりました。

ウイルスの突起部分にあたる「スパイクタンパク質」の遺伝子に、「L452R」「P681R」などの変異が見られます。

ウイルスのコピー能力が高く、感染力について、アルファ株は従来株の1.3倍程度ですが、デルタ株は2倍以上とされています。

ワクチンの防御効果が弱まる可能性も指摘されています。

 国内ではどのくらい広がっているのですか。

 「第四波」ではアルファ株が中心でしたが、今は全国でほぼデルタ株に入れ替わりました。入院リスクも重症化リスクも高まっています。

高齢者の多くがワクチンを打っているので、県内で人口呼吸器やエクモ(人口肺)を必要とする人が急増しているわけではありませんが、若年層でも酸素吸入が必要な「中等症Ⅱ」以上の人が増えています。

連日、新規感染者が多く、自宅療養も増えています。

 今一人一人に求められていることは何ですか。

 県内の感染例を見ても、多くが飲食を介しているなど感染経路が従来株と変わったわけではありません。今まで以上に「感染予防」が大切です。

(村上啓雄・ぎふ綜合健診センター所長への取材などから構成)

(令和3年9月1日付中日新聞朝刊より)
※この記事は、中日新聞社の許諾を得て転載しています。