1日の阪神戦（バンテリン）で急きょ先発し、3イニング無失点と好投して白星を呼び込んだ藤嶋。試合後の笑いが絶えない取材の中で、考え込むシーンがあった。愛知・東邦高の後輩・石川昴が、左膝前十字靭帯（じんたい）再建手術を受けた当日だった。

これから始まるリハビリの日々を先輩として思いやった。「本人が一番つらいと思います。自分も手術をして、野球をできないときはつらかったんで」。右腕は2019年、右手の血行障害でメスを入れた。長期離脱を経験した身として「いずれはドラゴンズの4番を打つ男だと思うので。今は耐えて、そのときを待っています」とエールを送った。

石川昴が4月にプロ初本塁打を放った際には「お祝いするのは自分が投げているときに打ったときだけです」。後輩のモチベーション、お手本になるべく“奮投”を続ける。

志村　拓