ほほ笑ましい光景だった。4日、記者は土田の名前が冠された「龍空杯」の取材のため米原小学校（滋賀県米原市）に足を運んだ。野球少年少女たちが熱戦を繰り広げる片隅で、小学生未満の子どもたちが数人いた。すると、土田がその子たちを手招きして、キャッチボールが始まった。

「僕、子ども好きなんですよ」と言う土田。兄や姉の試合を見る親に手を引かれてきた子が退屈そうにしているのが気になったのだろう。だが思いがけずプロとふれあえた子どもたちのうれしそうな表情を見れば、いい思い出になったのが容易に想像できた。

野球人口の減少が叫ばれて久しい。記者が小学校時代に所属したソフトボールクラブは最近、部員不足で休部となった。子どもに野球を好きになってもらうためには、土田のような行動が大事になるはずだ。

長森　謙介