今年のキャンプは新型コロナの規制も徐々に緩まり、選手がファンにサインをする光景も見られる。以前なら日常だが、ファンにとっても選手にとっても久しぶりのコミュニケーションになる。

「ありがたいことですよ。こんなサインを求められるのも野球選手をやれているうちだけですから」。そう笑顔で筆を走らせていたのは藤嶋だ。遠くで待つファンから「サインくださーい」と呼びかけられると、「ウエート終わったら帰ってきまーす」「トイレ行ったら帰ってきまーす」などと応じ、ちゃんと戻ってきて即席のサイン会が始まる。こんな「やりとり」ができるのも藤嶋らしいファンサービスのひとつだと思う。

今季は声出し応援も解禁される。「やっぱり抑えたときの歓声はうれしいものです。またそういう舞台で投げられるのかと思うと楽しみ」と藤嶋。幾度となくしびれる場面で大きな歓声を浴びることだろう。

土屋　善文