開幕戦の緊張が、高橋宏の笑顔で和らぐ瞬間があった。3月31日の巨人戦(東京ドーム)の練習中。始球式を務める橋本環奈が巨人側の一塁ベンチ前にいた。

「やばい、この距離から見てもかわいい」。ソワソワしていたのが高橋宏。4歳年上の女優さんを、三塁側ベンチ前から凝視していた。

「WBCの金メダルないの？首からぶら下げて、近くをウロウロしてみたら？」。同僚の記者が提案していた。右腕は「確かに！今から取ってこようかな」。冗談には冗談で返していた。

昨季1軍デビューし、19試合登板で6勝7敗。入団3年目の今年は実質2年目となる。世界一に貢献したとはいえ、長くなるであろうキャリアを考えれば、まだ修業の身。橋本環奈のキャッチコピーは1000年に1人のアイドル。高橋宏には、10年に1人の逸材として成長し続けてもらいたい。

川本　光憲