言葉は冗談めかしていても、表情は真剣そのもの。思わず背筋が伸びて「すみません」と返事をしていた。今月中旬、記者の第1子の出産を控え、予定日を少し過ぎたことをナゴヤ球場での残留練習後の柳に伝えた時のこと。以前には、名付けの悩みなどを聞いてもらうこともあった。

「こんな所で取材してる場合じゃないでしょ。側にいてあげないと」。柳は2児の父。長男との遊びは「どうしても、ボールを使っちゃいますね」と照れ笑いしていたのを思い出す。

ちなみに先輩記者の計らいのおかげで、出産に立ち会うこともできて右腕の〝指令〟にも応えることができた。6月は18日に「父の日」が控える。先輩パパのマウンド上の力強い姿をしっかり目に焼き付け、これからの励みにしたい。

志村　拓