長いキャリアでも最も遅い開幕だろう。東海ラジオの森貴俊アナウンサーが2日のオリックス戦(バンテリン)で今季初めて実況を担当した。

長かった。体調不良による喉の違和感をおして、3月中旬、名古屋ウィメンズマラソンでマイクを取った。それがダメ押しとなった。声は小さく、かすれっぱなし。ステロイドによる治療も思ったように好転せず、大学病院に出向いた。

解決は愛知医大だったという。声帯に加えて、音声の専門医にかかった。出したい音域と出る音域のチェックを繰り返しながら、ようやく業務にこぎつけた。

試合も長かった。延長11回でサヨナラ勝ち。ラジオブースから出る際、「最後は何て言ったか覚えてないのよ」と興奮していた。3時間45分ゲームをしゃべりきった。帰り際の声は元気よく、ハキハキ。そして歓喜でやや上ずっていた。

川本　光憲