ここ数週間、育成ルーキーの野中はキャッチボールで大野雄とコンビを組んでいる。ともに手術からのリハビリ過程で、距離に制限を設けてのキャッチボールのため、自然とコンビを組むことになったという。

リハビリ組で同じ時間を過ごしているとはいえ、高卒ルーキーがエースのキャッチボール相手を務めるのは相当なプレッシャーのはず。「最初はめちゃくちゃ緊張して、もう背中の汗がすごかったのを覚えています」

それでも一流選手のすごみを間近で感じられるまたとない機会でもある。「40～50メートルの距離で思いっきり投げて、その感覚で20メートルの距離でも同じように投げると自然と出力が上がってくると言ってもらいました」。夏場以降の復帰を目指す左腕は貴重なアドバイスを得ていた。けがの功名とできるか―。復帰戦が楽しみだ。

芦原　遼