「福ちゃんがよく打ってくれたよね。意地を見せてもらった」。9日の広島戦（バンテリン）で今季1号、球団3位タイとなる代打での通算9本塁打目を放った福田のことを、本紙評論家の川又米利さんが喜んでいた。

大島康徳さんと並び、球団1位の代打で16本塁打という記録を持つ川又さん。代打アーチには、並々ならぬ思いがある。「プロ初と現役最後、両方とも代打ホームランだったから忘れられない」。1発目は高卒2年目の1980年、沢村賞2度の当時阪神の小林繁から。プロで生きていく自信になった。

現役最後は96年。「大島さんを絶対抜きたいと思ったけど、翌年にナゴヤドームができて…。広すぎて打てなかったね」と苦笑い。「開き直りも必要」という代打稼業で後輩たちが、本拠地を沸かせるのを誰よりも楽しみにしている。

志村　拓