マイティラインとは

ナゴヤ球場に隣接する屋内練習場のブルペンのネットには…

    • 2024年02月23日(金)
    • ドラ番記者プラール

ナゴヤ球場に隣接する屋内練習場のブルペンのネットには自転車のタイヤのチューブが結ばれている。その中にひときわ長いものがあった。それを使う選手は1人しかいない。清水だ。

「僕だけでしょうね」と右腕が笑うのは埼玉・花咲徳栄高時代からの練習法だからだ。7本分のチューブがリリースポイントの力感と最もいいバランスだと同校の岩井隆監督から教わった。屋内練習場にあったチューブは2年目の沖縄キャンプで結果が出ない教え子のために岩井監督が読谷の自転車屋で買ってきてくれたものだ。

ただ、チューブは知らぬ間になくなっていた。清水がそれに気づいたのは昨季終盤に再調整で2軍落ちしたとき。それは1軍にいる時間が長くなった裏返しだ。「今は自分のやり方がありますからね」。役目を終えたチューブは右腕が次のステージに上がった証しなのだろう。

長森 謙介