美濃陶芸協会【第3回】黒岩達大さん
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- 2024年07月22日(月)
- 偉人伝
山口で自作し、可児まで一緒に移動してきた灯油窯(現在はガス窯)の前で
黒岩達大(くろいわ・たつひろ)
1970年横浜市生まれ、千葉県出身。53歳。岡山県備前陶芸センター修了。
2022年第25回美濃茶盌展大賞。岐阜県可児市久々利に工房を構える。
黒岩達大さんの経歴を見ると、「流浪の陶芸家」と表現したくなります。千葉県のサラリーマン家庭で育ち、高校卒業後は本人曰く「ニートの走り」でした。「エリート家庭の中で、高卒の僕がいとこたちなどに60歳で追いつけるのは何だろうかと考えていた時、テレビで陶芸家の加藤唐九郎さんを見て、これ、ありだなと思ったんです」。
ガス窯
24歳で千葉の陶芸家に弟子入り、備前か志野を作りたくなり、合格した岡山の学校に入学します。その後、佐賀、熊本、沖縄、山口など西日本をドサ回り、水害で被災者となったこともあり、「本当につらい」時期でした。
電気窯と全部で3つの窯がある
37歳のとき、山口から陶芸のイベントがあるセラミックパークMINO(岐阜県多治見市東町)で出店し、妻と出会ったことで可児市に工房を構えます。代表作は緑釉(りょくゆう)の作品ですが、「美濃焼の織部、志野、瀬戸黒、黄瀬戸の4つを、『黒岩オリジナル』で一生懸命制作し、僕にしかできないアウトラインを完成していきたい」。
目標の60歳まであと7年、「順調でしょうね」と幸せそうに答えてくれました。
自邸から自然の風景を見ながら作陶するのが好きだという
黒岩達大さんInstagram @tatsuhirokuroiwa
公益社団法人美濃陶芸協会(岐阜県多治見市虎渓山町4-13-1)
公式ホームページ 電話:0572-25-5551
(Adachi Masako)
月刊紙『マイタウンとうと』編集長。東京都出身。短大卒業後、証券会社で営業、新聞社系出版社で編集を経験。子どもが小さいときは時間で終わる公的機関でパートをし、その後編集復帰。カルチャーもスポーツも何でも興味が湧いたことには直接足を運び、自分の目で見ることを心掛けています。一方、家で過ごすのも大好きで、週末は家から一歩も出たくない気分の日もたびたび…。