今、多治見で落語が熱い‼
落語開催イベントをご紹介
-
- 2024年12月03日(火)
- 新名物
街中や図書館、公民館などで落語のポスターを見かけることが多くなったと感じませんか。多治見落語をけん引するお二人に落語の魅力について伺いました。ご近所で気軽に聴ける落語会へぜひ足を運んでみませんか。
春風亭朝枝(しゅんぷうていちょうし)
2024年3月撮影
①落語と人をつなげたい
多治見市学習館 三宅朝子さん(43)
10年ほど前、バロー文化会館の落語事業に関わることで落語の世界に引き込まれました。
落語の面白さは、噺家(はなしか)さん一人で男女や動物などいくつもの役を演じ分けることや、同じ演目でも噺家さんによって違い印象が異なること、演じるシーンによっておいしそうだな、きれいだななど、聴衆の五感と想像で無限の世界が広がるところです。
落語の世界で描かれている江戸時代の人々は、今の私たちにも理解共感できる弱さや優しさ、ユーモアを持っています。
落語を通して街のにぎわいや、多治見に触れるきっかけをつくっていきたいなと思っています。
②落語ファンを増やしたい
大日落語会会長 山村寛さん(64)
落語会を始めたきっかけは、14年ほど前に名古屋の人から多治見でも落語会をやってくれない?と言われ、立川晴の輔(はれのすけ)(当時は志の吉(しのきち))を呼びました。落語家は地方へ行くと1泊して二つの会場でやった方が割りがいいんです。
2015年に「大日落語会」を旗揚げ、落語の噺(はなし)には四季があるので年4回開催し、次で31回を数えます。
落語家への交渉は楽屋へ押しかけ直接交渉することもありますし、知り合いのつてを使うこともあります。目標は大日落語会50回目を開催すること。そのためには多治見の落語ファンを増やしたいと考えています。
「らくごんなあれ」について
落語のトリエンナーレ「らくごんなあれ」は、2024年度から26年度まで3年間かけて多治見を「落語のまち」にしようという計画で、バロー文化ホールを中心に進行中です。
江戸と上方の東西落語聞聴き比べや、公民館や商店街での落語会の開催。自分が落語家になって発表会をする体験教室では、現在26人が学んでいます。
らくごんなあれ公式キャラクター「らくごん」
落語が大好きな、体が吹き出しの形をしている珍獣です。感情によってその形が変化します。
落語雑学
落語は知識ゼロでも楽しめる!(森井直美)
江戸落語、上方落語とは?
江戸が発祥の江戸落語は「聴かせる」落語。関西(上方)が発祥の上方落語は「笑わせる」意識が強い。
落語家は階級制度
入門したら、見習いから始まり、高座(こうざ)に上がれるようになったら「前座」、「二ツ目(ふたつめ)」と昇進。最終的に「真打ち(しんうち)」になったら一人前。15年前後かかるといわれ、真打ちになれば弟子も取れ、寄席(よせ)では最後の「主任(とり)」も務められる。上方落語には階級制度はなく人気優先で一座の座長になる。
落語の小道具は?
扇子と手拭いのみで何でも表現。扇子は箸や筆、手拭いは財布や手紙など、表情やしぐさで何もないのにあるように見えるから不思議。落語家の「芸」の一つ。
古典落語、新作落語とは?
一般的に明治時代以前に作られた噺を古典落語という。長い年月を経て生き残ってきた噺であり落語家が自分なりの解釈を加え演じている。何百ある中、高座で演じられているのは約300演目。
新作落語は基本的に自分で話を作って演じる自作自演タイプ。その時々のキーワードが出てきて分かりやすい。
ふらっと立ち寄れる寄席
一度に多くの落語家の噺を楽しめる。一人約15分の持ち時間で落語家はその日の気分で演目を決める。お客さんの顔を見て受けそうなネタ、季節柄や、前に出た落語とかぶらないよう気遣いも求められる。落語以外にも、太神楽(だいかぐら)(曲芸)、紙切り、マジックなど、俗に色物(いろもの)という演芸も楽しめる。
長めのネタが聴けるのはホールで行われる「ホール落語」。事前に演目も決まっていることが多い。
気軽に楽しい噺を聞いて笑える場所に、踏み込んでみませんか。
参考:『やさしい落語』監修 柳家花禄 朝日新聞出版
『図解 落語入門』文 稲田和浩 世界文化社
2024年度 開催イベント
大日落語会
●2024年12月14日(土)
柳家権太楼・燕弥親子会
●2025年2月24日(月・祝)
三遊亭歌武蔵独演会
開演 14:00
会場 ヤマカまなびパーク(岐阜県多治見市豊岡町1丁目55)
東西聴き比べ落語会
●2024年12月20日(金)
開演 14:00
第四回上方の巻 露の紫ひとり会in大会議室
会場 バロー文化ホール(岐阜県多治見市十九田町2丁目8)
落語体験教室発表会
●2025年2月22日(土)
講師・実演 柳家権之助、露の紫
会場 バロー文化ホール(岐阜県多治見市十九田町2丁目8)
気軽にご近所落語会vol.4
桂九ノ一ひとり会
●2025年3月15日(土)
開演 14:00(予定)
会場 ヤマカまなびパーク(岐阜県多治見市豊岡町1丁目55)
●2025年3月16日(日)
開演 11:00 根本交流センター(岐阜県多治見市根本町3丁目55−1)
開演 14:30 笠原交流センター(岐阜県多治見市笠原町2081-1)
商店街で落語会
●2025年3月22日(土)
出演 柳家権之助
会場 玉木酒店(問い合せ:バロー文化ホール)
予約・詳細は各会場へお問い合わせください。
- お問い合わせ
- バロー文化ホール(多治見市文化会館)
0572-23-2600
ヤマカまなびパーク
0572-23-7022
(Adachi Masako)
月刊紙『マイタウンとうと』編集長。東京都出身。短大卒業後、証券会社で営業、新聞社系出版社で編集を経験。子どもが小さいときは時間で終わる公的機関でパートをし、その後編集復帰。カルチャーもスポーツも何でも興味が湧いたことには直接足を運び、自分の目で見ることを心掛けています。一方、家で過ごすのも大好きで、週末は家から一歩も出たくない気分の日もたびたび…。