美濃陶芸協会【第8回】阪口浩史さん
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- 2024年12月03日(火)
- 偉人伝
阪口浩史(さかぐち・ひろし)(55)
1969年飛騨市神岡町生まれ。美濃陶芸協会副会長。第40回卓男賞受賞。
「轆轤(ろくろ)が好きなだけです」と阪口浩史さんは自作を前に制作工程を教えてくれました。
使う土は「自分の手に合う」という7kgの土の塊を3玉21kg使用。直径60cmの大鉢を引き、底から持ち上げるようにして楕円(だえん)に変形。
口部にひも作りで土を足し、うねりのある造形で大きな波を表現しました。釉薬(ゆうやく)は灰釉を主体にクロムとスズを調合し、クロム量の変化で、白、ピンク、紅紫色の3色を筆で塗り分けます。
飛騨市で生まれ、図工・美術と家庭科が得意で物作りには向いていると思い、中学3年時、進路資料の中に見つけた多治見工業高校にある「窯業」科を「ようぎょう」と読めず、調べて陶器を作ることだと分かり、「よし、これだ‼」と入学。
専攻科卒業後は先生だった近田精治さんに弟子入り、最初から「1年後を目標に個展ができるように」と制作時間を設けてくれました。現在の工房「深山(みやま)窯」は近田先生から受け継いだもの。「先生からこの世界は継続こそ力なりやぞと言われ、これからも続けることが僕のやることなので」
師匠の近田精治さんの写真に見守られている
15年ほど前から養蜂を手がけていて、個展のお礼などに渡していたところ「おいしい」と好評で、今では20箱になっています。
阪口浩史さんの作品を見るには
「美濃陶芸協会ギャラリー 常設展」
会期:2024年12月10日(火)まで。10:00~16:00(最終日は15:00まで)
会場:美濃陶芸協会GALLERY
(岐阜県多治見市本町6-57-1 智結蔵(ちゆぐら)1階)
電話:0572-25-5551
公益社団法人美濃陶芸協会(岐阜県多治見市虎渓山町4-13-1)
(Adachi Masako)
月刊紙『マイタウンとうと』編集長。東京都出身。短大卒業後、証券会社で営業、新聞社系出版社で編集を経験。子どもが小さいときは時間で終わる公的機関でパートをし、その後編集復帰。カルチャーもスポーツも何でも興味が湧いたことには直接足を運び、自分の目で見ることを心掛けています。一方、家で過ごすのも大好きで、週末は家から一歩も出たくない気分の日もたびたび…。