１０日のＤｅＮＡ戦（横浜）で復帰した小笠原。６回途中２失点（自責１）と今季初先発できっちりゲームをつくった。白星は手にできなかったが、ファンも安堵（あんど）したことだろう。

昨年９月の『左肘遊離体除去術及び左肘頭形成術』。今季開幕を目指したが、思うように事は運ばなかった。険しい道のりを歩む際の心の支えは何だったのか、小笠原に聞いたことがある。

「周りの人たちですね。本当に自分のペースで落ち着いてやらせてもらいました。監督や２軍監督、トレーニングコーチ、トレーナー、本当に感謝しかないです」

胸の内には、当然ながら焦りはあった。それを助長させないようにしてくれたのが、与田監督をはじめ周りの配慮だった。「僕は周りに恵まれていると思う」。この言葉は偽らざる本音だろう。感謝の思いを胸にマウンドに上がる左腕。次は復活星を期待しよう。

（島田明）

• おすすめ記事『根尾を外したら１位だった男の快投です』