1980年生まれの記者は愛知県出身の両親のもと、東京で育った。クラスには巨人ファンしかいない中、唯一「D」の帽子をかぶって日々戦っていた。

完全アウェーの中、立浪和義はクラスのG党に対抗するアイコンだった。だから「SSK」のCMに出演した時は感動した。「すごいだろ！」と自分のことのように言ってまわった。そして1999年は徹夜で並んで神宮球場の優勝を目撃した。球場はほぼドラゴンズファンで埋まり、本当に驚いた。最後のアウトは二塁・立浪が捕った。最高だった。あの盛り上がり、景色は一生忘れることはないだろう。

そして今季最終戦。立浪監督の最終戦でもあった。9回は球場が一体となった応援が鳴り響いた。最下位チームとは到底思えない熱量。あの日の夜の神宮をふと思い出した。このチームがクライマックスシリーズ（CS）進んでいたら、優勝していたら、どれだけ幸せなことだっただろうかー。1日たってもそんなことを考えてしまう。

土屋　善文