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美濃陶芸協会【第9回】曽根洋司さん

    • 2024年12月19日(木)
    • 偉人伝

曽根洋司(そね・ようじ)(64)
1960年土岐市生まれ。美濃陶芸協会副会長。第62回日本現代工芸美術展内閣総理大臣賞受賞。

曽根洋司さんは百姓をやっていた父が陶器をやりたくて始めた工房で育ち、京都芸術短期大学で学んだ後、同府立陶工高等技術専門校に入学して4カ月後、父が不渡りをつかまされ土岐に戻ってきました。「今思うと轆轤(ろくろ)の勉強などもう少ししたかった」と心残りの様子。

しかし、食器を作っていた家業の傍ら、夜は自分の作品作りを始めます。日展に出品し、いきなり特選を受賞するも、その後、落選が続くので、瀬戸の陶芸家亀井勝さんに聞きに行くと、「あんたの作品は壁みたいだ。向こう側の光を入れてみたら」とアドバイスを受け、隙間を開け始めると入選するようになりました。

曽根さんの作品は黒、グレー、白が主体で、「生地の色が下から上がってくるのが好き」で、手びねりで紐を作り、へたらないように朝晩に5㎝ずつ積んで1mを超える大作もあります。

商品と作品を一緒に焼く窯

今年は「眠れぬ夜」で内閣総理大臣賞を受賞。

「眠れぬ夜」。左はマケット

また、美濃地方で未利用の黄土を使った「精炻器(せいせっき)」の復興に尽力し、岐阜県セラミックス研究所の支援の下、研究会の代表も務めています。

市之倉さかづき美術館で開催中の「精炻器展」では、曽根さんの作品をはじめ、研究会所属の作家たちの食器やインテリアになる作品がずらりと並びます。

精炻器復興の協力者、岐阜県セラミックス研究所 安達直己(なおき)専門研究員・博士(工学)

化粧掛けの実演をしてくれた

美濃陶芸協会ギャラリーでは「第10回美濃陶磁育成智子(さとこ)賞受賞記念 曽根洋司作品展」も開催されます。ぜひ曽根さんの仕事を実際にご覧ください。

曽根洋治さんの作品を見るには

「精炻器展vol.17」
会期:2024年12月6日(金)~22日(日) 10:00~17:00
休館:火曜
会場:市之倉さかづき美術館(岐阜県多治見市市之倉町6-30-1)
電話:0572-24-5911

「智子賞受賞記念 曽根洋司作品展」
会期:2024年12月17日(火)~2025年1月12日(日・祝)
   10:00〜16:00(最終日は15:00まで)
休館:会期中無休
会場:美濃陶芸協会GALLERY
(岐阜県多治見市本町6-57-1 智結蔵(ちゆぐら)1階)
電話:0572-25-5551

公益社団法人美濃陶芸協会(岐阜県多治見市虎渓山町4-13-1)