解説者として中日の試合でグラウンドに姿を見せる阿波野さん。2019年から3年間、中日で1軍投手コーチを務めていただけに今の竜の投手陣も気になる様子。中でも福の投球に目を細めていた。
「あそこで浅村まで任せてもらうというのは信頼の証しだよね。その信頼を少しずつ積み上げていってほしいね」。そう振り返ったのは11日の楽天戦(楽天モバイル)での中日が3点リードして迎えた7回だった。先頭の小郷、小深田、渡辺佳と左打者3人と対戦して2死二塁とピンチを迎えた場面でも続投。右打者の浅村を空振り三振に仕留めて今季初ホールドを挙げていた。
思い返せば福が中継ぎ左腕として頭角を現す19年シーズン前のキャンプで、球筋が見やすいようにブルペンのマウンドからホームベースの両端に糸を張る阿波野さん考案の練習法を実践していた。「今も調子よくない時は自分でやってるんですよね」。6年前の教えが今も福の中に生きている。

谷大平