14日の試合前練習の最後に行われた中田のフリー打撃。大阪桐蔭高1年生時に全国に名をとどろかせた甲子園球場での見納めスイングを、記者も三塁側カメラマン席から感慨深く見ていた。

前日の地元・広島のマツダスタジアムでのフリー打撃も含め、いずれも打撃投手を務めたのは佐藤亮太さん。怪物・中田と甲子園で最後に相対した投手となった。「正直、まだ全然現役でできると思わせるような打球でした。ボールをしっかり捉える技術、遠くへ飛ばす技術はさすがの一言だと思います」とこの道16年の職人もその打撃技術に感服する。

中田がドラゴンズに移籍した昨季からの2年間は1軍での練習では打撃投手を務めてきた。「こちらも勉強になることはたくさんあったので、逆にありがとうございましたと伝えたいです。本当にお疲れさまでした」。高校時代から世代のトップを走り、一時代を築いたスラッガーの引退を惜しんでいた。

谷太平