「とにかくすごかった。こういう選手がプロで活躍するだろうなって」。平田2軍外野守備走塁コーチは大阪桐蔭高で2学年下の「怪物1年生中田翔」が入学してきた時の衝撃が忘れられない。

同門の強打者同士。プロでも「彼（中田）が打ったら個人的にはうれしかった。引っ張った時の打球は『これがホームランバッターの打球』と思って見ていた」と活躍はずっと刺激だった。

2023年オフ、中田が竜に電撃加入。昨年、指導者として平田コーチが竜に復帰し再び同僚に。「『できるところまで頑張りや』とは言っていましたね」と鼓舞し続けた。

腰の不調の影響も大きく中田は現役引退を決意。15日の2軍戦でナゴヤ球場での最後の打席を終えた中田に花束を手渡したのは平田コーチだった。「選手とコーチとして、同じユニホームで最後を見届けられて良かったです」。背番号6を受け継いだかわいい後輩の雄姿を見届けた平田先輩の目は優しかった。

加藤慎也