本拠地ラストゲームだった21日の巨人戦。アップ中、藤嶋はフェンス沿いにランニングしていた。ラバー部分を手でなぞりながら走った。

「フェンスに『今までお世話になりました。助けてくれてありがとう』って気持ちを込めてあいさつしてきました」

来季はホームランウイングが新設される。投手にとっても野手にとっても、広い本拠地は終わった。右腕にとって「やられた」と思った打球はフェンス手前でも、フェンス直撃でもなく、オーバーフェンスとなる。冷汗は悔し涙に変わる。

今の役割はリリーバー。バットを持つ機会はなかなかない。昨季も1打席だけだった。もし打席に立つ機会があれば、新設フェンスは得点の助けになる。打てるのか！？　「それいいですね」。藤嶋投手、ちょっとだけ、気分転換だけでも打撃練習してみてください。

川本光憲