7日に帰国したウォルターズ。その行動力には頭が下がるばかりだった。6月のバンテリンドームナゴヤでの練習後のこと。球場を一度出た背番号94。再び関係者入り口へ戻ってくると、手にはスーパーで買った大量のインスタント食品を持っていた。「フードドライブに出すんだ」。球団が呼びかけていた、食料を必要な人に届ける取り組みへ寄付。慈善活動に積極的で、「困難にある人を助けられる以上のことはない」と日本での活動にも意欲的だ。

その一つが10月に行った名古屋市内の小児科病棟への慰問だ。「彼らが経験するつらいことは自分には理解することはできない。少なくともその一日、幸福な瞬間を見ることができたら価値があったと思います」。おもちゃなどを届け、病と闘う児童と交流し寄り添った。自分が知らない誰かのために身を切ったのはいつが最後か、ふと考えた。できることから一歩踏み出したい。

加藤慎也