マイティラインとは

29番

    • 2020年08月31日(月)
    • ドラ番記者プラール

記者席だけでなく、観客席からもざわめきが起こった。29日の巨人戦、7回に登板した山井が2死満塁からのピンチで3連打を浴びて4失点。なおも続くピンチでベンチから出てきたのは阿波野投手コーチではなく、与田監督だった。

「自分の信じたボールを思い切って投げ込んでこい」。指揮官は球界最年長投手にマウンドでそう言葉を送った。その後は立ち直り、見るからにボールの力強さは増していた。

マウンド上で言葉を交わす背番号92と29を見ながら、昨季のある場面を思い出した。与田監督としての初勝利は山井の先発試合だった。勝利投手として手にしたウイニングボールを「やっぱりおれが渡さないかんやろ」と現役時代に29番を背負っていた指揮官に自ら手渡していた。

この日の試合前練習では誰よりも早くグラウンドに姿をみせた山井。まだまだ背番号29を巡る物語の続きはあるはずだ。