子どもってすごい!
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- 2019年03月06日(水)
- いいね新聞生活
2019年1月25日から2月1日にかけて、中日新聞岐阜県内版に、「第18回岐阜県小学校作文コンクール」の特選作品が掲載されました。
日頃、新聞を読んで、世の中の動きを知ったり、知識を得たりはしていますが、記事に心打たれ、涙腺が緩むといったことはそうはありません。でも、この作品紹介では、毎年必ずといっていいほど、胸にこみ上げる作品に出合います。今年は眞鍋豪さん(岐阜市鏡島小1年)、川口莉々加さん(本巣市根尾小3年)、伊藤杏南実さん(各務原市稲羽西小6年)ら各学年の特選作品1点ずつが、連日にわたって紹介されました。
谷口倖白さん(下呂市萩原小2年)の作品「おかあさんがまたおかあさんになる」は、4人目の赤ちゃんを産む前のお母さんのお腹に耳を当てながら、親子一緒に過ごした時間が描かれます。自分を産んだときどんな気持ちだったか尋ねると、お母さんはこう答えます。「‥ぶじにうまれてきてくれた時は、ほっとしたのとうれしさで、なみだがいっぱい出たんだよ」。読んでいて、とても温かな気持ちになりました。
6人のうち5人は家族をテーマにし、うち3人がおじいちゃんのことを書きました。川地敦也さん(大垣市静里小4年)は、おじいちゃんが大好きだったのに、お別れが近づいたとき、怖くて、やせ細った手を握れなかった気持ちと後悔を記しました。審査委員長の多和田雅彦さんは「作文を書くことで、おじいちゃんの死を受け止めていったことが、よく分かる作品でした」と講評しました。
「おじいちゃんは、明るい。いつもだれかとしゃべっている。だれとでも、すぐ友達になれる」。こんな書き出しで始まる鵜飼佐弥子さん(八百津町和知小5年)の作品は、昨年7月に亡くなったおじいちゃんに「ありがとう」と伝えたくて、亡くなった2週間後ぐらいに泣きながら書いたそうです。「おじいちゃんは、やさしい。私がおやつをあげると、『ばあさんの分、とっといたらないかん』と言いながら、なんでも半分こにしていた。‥」「おじいちゃんは、たまにおこる。やったらだめと言われたことを、二回目やると、『さっきだめって言ったでしょ?』と言ってから、私の手をやさしくちょっとだけつねる。いたいのに、いたくないような感じがした」。病床に伏せていても、つき指をした自分のことを案じてくれたおじいちゃん。「会いたいよ。もう一回、会いたいよ。‥たくさんたくさんありがとう」。孫娘に対するおじいさんの深い愛情、さらには、おじいさんの人柄、生き様までもが伝わってきました。
どの作品も、日常生活、あるいは生と死を前に交わされる家族とのやり取りや心の動きが丁寧に描かれており、家庭での確かな人間関係が感じられます。鋭い観察力と豊かな感性、表現力の高さには、脱帽させられるばかりです。子どもってすごい !
“チコちゃんに叱られる”ではないけれど、自分も大人に甘んじてボーッと生きていてはいけないな、と反省しました。(有)
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