フリースタイルスキーのモーグル女子で、３大会連続五輪代表の伊藤みきが現役を引退した。２０１４年のソチ五輪担当だった記者は前年の春から本番に備えて、本人や両親を取材。滋賀県日野町の実家では３時間以上も話を伺った。

しかし、五輪前に右膝靱帯（じんたい）を損傷した彼女は必死のリハビリで代表入りを果たしたものの、前日練習で再び痛めて、涙の棄権。ピアノの発表会で失敗した部分を延々と弾き直した幼少期の逸話などは日の目を見ることはなかった。当時の取材メモには「とにかく準備が大事。本番で特別な何か力を入れようといっても、そのときには遅い」という言葉が残る。与田監督や主将の高橋も強調するのが「準備の大切さ」。記者も同じ。日の目を見るときを信じ、ネタ仕込みに奔走するしかない。

（高橋雅人）

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