ふくらはぎの肉離れはそう簡単には治らないらしい。右外側ヒラメ筋損傷からの復帰を目指している高橋周。数週間前だった。「ちょっと、触ってみてくださいよ」と言われるがまま触れてみた。

なんと表現したらいいのか。右手で左ふくらはぎを、左手で右ふくらはぎを揉んでみる。何度目かのタッチで、しこりのような手触りがあった。

「それですよ、それ」。アスリートの体に触れることはそうそうない。数センチか、数ミリか。ほかの箇所よりも少しだけ固くなっている気がした。和田打撃コーチによると「ハム（太もも裏）ならいいんだけど、ふくらはぎはしっかり治したほうがいいよ」と話していた。中途半端は許されない部位らしい。

背番号3は1カ月かけて全力ダッシュまできた。もうひと息の山をどう登るのか。慎重に、とはいえ臆病にならず。万全を期してもらいたい。

川本　光憲